水墨画
水墨画 ( すいぼくが )
日本画 の分野のひとつで、代表的なジャンルです。彩色豊かなやまと絵とは違い、墨一色で表現されています。墨線だけでなく、墨を面的に使用し、ぼかしで濃淡や明暗を表す絵画です。単に墨一色で描かれた絵画ということではなく、墨色の濃淡、にじみ、かすれ、などの技法で描かれた、中国風の描法によるものを指します。日本の作品については、おおむね鎌倉時代以降のものを指します。元々は中国から禅宗と共に伝来し、漢画を模して描かれていました。のちに室町時代の雪舟の出現により、発展を遂げ、日本独自の水墨画が確立されました。
水墨画の魅力は、対象物を決して写実的・説明的に細密に描かないことで、心で感じた精神的な美や自然の生命力が強調して描かれます。また、余白が効果的に用いられ、見る者の想像力をかき立てます。さらに、墨の一色で描かれてはいますが、墨の濃淡、にじみ、ぼかし、グラデーションなどで、動きがあるように見えたり、墨一色のはずが色がついているように見えたり、その場の空気感じが伝わるものなどさまざまな魅力が表されています。
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