宮永岳彦の婦人像です。53×45センチキャンバスに油彩で描かれています。 簡単に描かれた若年の作品です。 この作品は売却済みで、当時の買取価格は三十万円から四十万円です。
宮永岳彦は「光と影の華麗なる世界」と称される 美人画 で知られる洋画作家です。
静岡県に生まれ、名古屋私立工芸学校を卒業しました。1946年に復員してからは、松坂屋百貨店銀座店宣伝部に勤務し、勤務の傍ら創作活動を行い、油絵をはじめ、小田急電鉄や全日空空輸のポスター、童画、雑誌の表紙画、挿絵、水墨画 など、多彩な作品を残しました。
油絵では、ポスターで描いてきた女性とは全く違うスタイルで、鹿鳴館時代の華麗な洋装に身を包んだ貴婦人たちの姿など、女性をテーマとした美しい作品を描きました。スポットライトのように女性を照らし出す逆光を用いた 作風 で、美しいものをより美しく描くことをテーマにし「宮永美人画」という一つのジャンルを作り上げました。透明感のある空間の中で、やさしく差し込む光が女性に当たり、暖かみを感じさせる作品が有名です。
宮永岳彦の作品は、繊細な筆致、淡い色調で描かれた 女性像 で、気品さを引き立て女性独特の優美さが漂った高級感あふれる作品が好まれています。また花飾りや耳飾りなど、華やかに描かれた装飾品がアクセントになり、背景の ステンドグラス まで細かく鮮やかに描かれた作品で、女性の美を高級感あふれ艶やかに描かれた美人画の逸品が人気で、高価買取対象です。
短時間で簡単制作された作品と、時間をかけた力作、またデザインや種類、得意とする作風により買取価格は変わってきます。
一般的には、若年の作品より、晩年になり、全盛期の独自の境地を築いた作品が人気で、高価買取対象です。
作家の作品は、その時の時代や流行、また新しい作家に人気が移ったりで、価格が大きく変動します。(No.56)