加藤卓男の青釉の花瓶を紹介します。
加藤卓男は、陶芸の街、岐阜県多治見市に、江戸時代から続く 窯元 の長男として生まれました。白血病を患い約10年間、闘病生活を送りましたが、戦後は、フィンランドへの留学を経て、ペルシャ陶器の研究を重ねていきました。西洋の考古博物館や各地の古窯跡を訪ねるなど研鑽を積み上げ、幻の名陶ラスター彩はじめ、三彩、青釉、ペルシア 色絵 など、古代ペルシア 陶器 の復元に成功し、人間国宝に認定されています。西洋の異民族の 芸術文化 と日本文化とが融合された、独自のラスター彩を作り上げました。
この作品は、青釉の作品で、高さ24.9cm×幅11.3cmの手付きの 花入 れで、高台内に「卓」と 銘 があります。発色もたいへん綺麗で、面白い味わいのある作品ですね。このような、彼の 作風 が冴える青釉の作品は高く評価させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。
しかしながら、加藤卓男の場合は、ラスター彩陶がたいへん有名で一番の高価買取作品になります。彼の晩年に作られた 上手 のラスター彩の 陶器 になりますと、この花瓶の2倍、3倍の価格で取引される作品もあります。作家は努力を重ね、試行錯誤を繰り返して、自身の納得の行く境地を確立させて行きます。作家の作品には、いろいろありますが、30代、40代ではまだ自分独自の境地には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品より、晩年 の作品の方が、洗練された作品となり、買取価格も数段上となります。制作年代や題材、出来栄えなどにより、価格が違ってきます。その査定には確かな知識と経験が必要となります。陶芸作品の真贋を問う場合や、時代を見るのは数十年の経験が必要です。当店は、京都祇園の骨董街で長年培われてきた実績があります。売却依頼のご相談は、古美術やかたにご依頼ください。(No.19)