藤本能道が得意とする作品を紹介します。
人間国宝、藤本能道の作品を紹介します。高さ11.2cm×幅32.8cmで、高台内に「能」と 銘 があります。
薄緑色の草白釉に、色釉で絵を描いて本焼きし、その上から従来の 上絵付 を行う 技法 は、彼が開発した 技巧 です。この工夫により、絵付 に奥行ができ、対象物がきれいに浮かび上がります。背景には吸い込まれるような空間を感じることができるのです。藤本能道は、初期の頃は前衛陶芸を試みましたが、方向転換を試み、伝統的な色絵磁器の技法を追究しました。色絵具の混色による中間色など、釉薬 や描法を研究し、洗練された色絵の絵画的な表現を築き上げました。着彩を白磁焼成の本焼工程前に行うという、他には無い独特な画法を習得し、その功績は高く評価されています。彼の作風が冴えるこのような作品は高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。この作品も、青味を帯びた透明度の高い背景に、美しく羽を広げるセキレイが色彩や金彩で見事に描かれており、素晴らしい 逸品 となっております。
若造りの作品よりも、65才過ぎてからの 晩年 の作品が人気です。白磁の部分を生かしつつ、多くの色を使った美しい 全盛期 の作品が高価買取対象作品となります。全盛期のこのような作品になりますと、百万を超える価格で取引される人気も実力もある名工です。作家の作品には、いろいろありますが、30代、40代ではまだ自分独自の 作風 には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品より、晩年の作品の方が、洗練された作品となり、買取価格も数段上となります。制作年代や題材、出来栄えなどにより、価格が違ってきます。売却依頼の際には、信頼と実績のある骨董店、古美術やかたにご相談ください。
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