鈴木蔵の得意とする作風の茶碗を紹介します。
鈴木蔵の茶碗を紹介します。高さ10.4cm ×幅13.4cmで、高台脇に「オ」と銘があります。
鈴木蔵は「志野」で 人間国宝 に認定されました。志野焼とは、織部焼の一種として、地方で焼かれた 陶磁器 です。厚い胎土の大ぶりな茶碗に白い長石釉をたっぷりかけて焼くのが特色の 古陶器 で、菓子鉢 、壺 などの日常雑器のほか、茶碗 や 水指し 、 香合 などの茶器が多く作られました。彼は、現代志野を代表する名工で、鮮やかな緋色を特徴として、雄大かつ温かみの深い志野茶陶を展開しました。桃山と現代が融合し新たな志野を生み出しています。長く美濃陶芸のトップに君臨し続ける偉大な 陶芸家 です。
この作品は、鮮やかなピンク色の地が美しい作品です。情緒漂う存在感のある「志埜茶碗」です。純白色にも例えられる長石釉は清潔感があり、また緋色は情熱的な美しさがあり、雄大な魅力あふれた作品ですね。このような、彼の 上手 の作品は高く評価させて頂きます。彼の作品では、志野焼の、鉄釉の発色が力強い、格式高い 晩年 の陶芸作品が高価買取対象です。どの作家にも言えることですが、作家は試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の境地に到達します。作家の作品には、いろいろありますが、晩年の、自身の 作風 を確立させた 全盛期 の作品には、熟練した深い味わいがあり、高価買取させて頂けます。売却依頼のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.56)