村上華岳の菩薩像の名品です。
村上華岳は、大正から昭和期にかけて活躍した、日本を代表する画家です。観世音菩薩像など、精神性の高い 日本画 を多く描いています。その天才的とも言える 画風、筆遣いなどは、高く評価されています。どこかミステリアスな雰囲気を放つ作品が多いのが特徴です。この作品も、彼が生涯のテーマとした、仏画 で、菩薩のふくよかな顔が、日本画らしい線の細さと繊細さで、豊かに描き出されており、暖かみのある味わいが、見るものを落ち着いた気持ちへと導いてくれます。彼の真骨頂とも言える 名品 です。はじめは 文展 を中心に活躍を続けていましたが、中年以降は、京都画壇との関わりを絶ち、密室で自己の内面と向き合う孤高の制作活動へと移行しました。画室でひとり、悟りを求めるように 仏画 と向き合い続けました。彼の作品は20世紀の宗教絵画の最高峰と言えます。このように努力の末、何年もかかって独自の 画境 に到達するのですね。作家は自分の描こうとする対象物に情熱を注ぎ、試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の境地に到達します。村上華岳の作品も、やはり、晩年 の 全盛期 の作品には熟練した深い味わいが出てきますので、高価買取対象となります。33.5×31.1cmサイズの 紙本 に彩色が施された作品です。（No.500～600）