村上華岳の素晴らしい仏画を紹介します。
村上華岳が、生涯のテーマとしたのが、仏画です。その中でも、最も主要な画材となったのが、観世音菩薩像です。彼にとって、美と善を備えた、清く美しいもの、人間の理想と憧れの象徴だったのでしょう。この作品は、落款 や印より、昭和初期頃の作品と分かります。大正後期から仏画を本格的な主題としましたので、彼の 晩年 の 全盛期 に描かれた作品となります。村上華岳の作品は全般に高価買取対象ですが、このような、晩年の 仏画 は、特に高価に買取させて頂きますので、ご相談ください。観音像のふくよかな顔が、墨線によって豊かに描き出されています。また、背景の岩窟も、墨の濃淡でうねるような筆遣いで描かれており、さすが素晴らしい作品です。この頃は、京都画壇との関わりを絶ち、密室で自己の内面と向き合う孤高の制作活動へと移行した時期です。画室でひとり、悟りを求めるように追求し続けた美の理想が垣間見える日本画の 名品 で、荘厳な雰囲気に満ちあふれていますね。多くの作家は、30代、40代ではまだ自分独自の 作風 には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品と、自分の 画風 を築いた 晩年 期の作品とでは、やはり、晩年の洗練された作品の方が味わい深く、買取価格も数段上となります。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。127.1×30.9cmサイズの 紙本 に彩色が施された作品です。(No.960)