鏑木清方の頭巾をかぶった美人画です。
花のある風景にたおやかに描かれた女性がたいへん美しい作品です。江戸時代の婦人の間に流行した被り物、御高祖頭巾をかぶった女性を描いています。鏑木清方は東京 画壇 で活躍した美人画家です。挿絵 画家として早くから才能を発揮しましたが、本格的に 日本画 と向き合い始めてからは、美人画や風俗画、肖像画 などを題材に情緒あふれる作品を描き、独自の 画境 を築き上げました。気品あふれる 女性像 や失われゆく明治の風物を郷愁豊かに描き、上品な色合いで、すっきりとした近代的な女性美が表現されている作品は人気があります。作品のほとんどが 人物画 であり、大首絵と呼ばれる女性の顔が大きく表現されている作品が高価買取対象です。この作品のように、日本髪 を結っている 美人画 であることが一番大切で、顔を画面一杯に描いた、華やかな色彩の作品も高価買取対象です。このような、鏑木清方の美人画は高価にお譲りさせて頂きますので、是非ご相談ください。また、この作品は、50.8×38.9cmサイズの 紙本 に彩色で描かれた作品で、やや小さな作品となります。もう少し大きな力作となりますと、数百万の値段で取引されることでしょう。同じ作家の作品でも、簡単に描かれた書画や小さい作品と、何日、何ヶ月もかけて描かれた大きなサイズの力作とでは、大きな作品の方が、断然高価でお引き取りできます。価格が10倍、20倍と違ってくるのは当然のことかと思います。良い例として、祇園のお茶屋さんに伺った際の、京の街ならではの話を紹介します。昔から一見さんお断りの風習がある京の祇園街には、著名な人々、有名な作家が多く訪れます。ある著名な作家さんがお帰るときに「今日は持ち合わせがないので」と、襖に簡単な 水墨画 を描かれ、「今日の払いはこれにて」と、帰られたそうです。当店地元の京の祇園街では、このような面白い逸話や粋な作品が残されております。作家の作品と一口に言ってもいろいろあるものです。制作年代や題材、出来栄えにより、価格は違いますので、お気軽にご相談ください。（No.72）