川合玉堂の素晴らしい風景画を紹介します。
昭和19年の夏に現在の青梅市に疎開した川合玉堂は、戦後もその自然の風景がたいへん気に入り、そのまま民家を借り受け本格的な画業に入っていきます。庭には水車小屋や東屋を建て、田舎の生活を楽しみました。自然と人間の生活が調和した理想の風景として、多摩川の渓谷を好み、円熟期にはその風景を描いた多くの作品を残しています。晩年 の奥多摩の風景を描いた時代を奥多摩時代と呼び、この時代に描かれた作品は素晴らしくたいへん人気があり、数百万の値段で取引されています。高い位置から、近景の松や水車、遠くの山々を見晴らす 構図 は、彼の得意とする 作風 です。墨や色彩の濃淡によって、空間の奥行きを表現しているところも素晴らしい 技法 です。狩野派風の力強い墨線で近景を描くことで、全体を効果的に引き締めています。熟達した筆技で描かれた傑作ですね。点景の人々や、荷物を背負い険しい山道を歩く人物は、彼の作品には欠かせないモチーフです。人と自然との圧倒的な大きさの対比には、自然とともに生きることへの深い共感の現れです。山の清々しい空気や、辺りに響く音までもが感じられる風趣豊かな作品です。このような、川合玉堂の晩年の 上手 の作品は高価に買取させて頂きますので、是非、ご相談ください。どの作家にも言えることですが、やはり、全盛期 の作品には熟練した深い味わいがあり、高価に買取できる 逸品 が多くなります。一口に作家の作品と言っても、制作年代や題材、出来栄えなどにより、買取価格が違ってきます。お気軽にお問い合わせください。49.0×60.5cmサイズの 紙本 に彩色で描かれた作品です。(No.380)