平櫛田中の南無観世音菩薩尊像を紹介します。
平櫛田中の南無観世音菩薩尊像を紹介します。台座含む高さ38.4cm×幅12.4cmの 木彫り の作品です。1972年、彼が100才のときに作られた作品です。107才で亡くなられておりますので、最晩年の作品と言える時代の作品になります。観世音菩薩は、時代を経るにしたがい、十一面観音、千手観音など多くの姿に変化しているため、一番もとの観音という意味で、特に聖観音、正観音と呼ぶことがあります。この作品は、法隆寺六観音の一つに倣って作られたものと言われています。彼は、西洋の塑像の研究にも励みながら 写実 を追求し、晩年には、彩色像や寄木造りに挑み、数多くの 名品 を生み出しました。明治~昭和を通して活躍した、日本の近代 彫刻 界の 巨匠 です。
このような、彼の晩年の作品は、高価買取させて頂きます。作家の作品には、いろいろありますが、30代、40代ではまだ自分独自の境地には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品より、晩年 の 全盛期 作品の方が、洗練された作品となり、買取価格も数段上となります。中でも、亡くなられる一年前、二年前の最晩年の作品は、最も高価に取引される作品となります。平櫛田中の場合、晩年の 上手 の作品になりますと、数百万の価格で取引される作品もあります。制作年代や題材、出来栄えなどにより、価格が違ってきます。その査定には確かな知識と経験が必要となります。作品の 真贋 を問う場合や、時代を見るのは数十年の経験が必要です。当店は、祇園の骨董街で長年培われてきた実績があります。売却のご相談は、古美術やかたにご依頼ください。(No.500)