橋本雅邦の掛軸を紹介します。
橋本雅邦は、狩野派の 巨匠として知られています。当時の絵画界の 重鎮 として、東京美術学校 では、のちに絵画界で活躍するそうそうたるメンバーを指導しており、近代美術に大きな影響を及ぼしたと言われています。
晩年の橋本雅邦は、柔らかな筆遣いと、墨色の濃淡で表現した独特の空気感が特徴で、熟達した 技巧 で知られています。特に晩年の 山水画 が高価買取対象です。この作品も、狩野派 ならではの筆致や西洋の遠近法などが取り入れられた見事な作品ですね。このような、味わい深い、晩年の 全盛期 に描かれた 山水画 の買取のご相談をお待ちしております。
橋本雅邦の作品では、1882年に内国絵画共進会に出品した「竹に鳩」が宮内省の買い上げとなっています。活動が期待される作家の作品は、このように文化庁などに買い上げとなることがあります。芸術家は、何年もの間たいへんな努力を繰り返し、また周りの人に助けてもらいながら、独自の 作風 を築いていきます。昔からよく言われる事ですが、芸術家が育つためには、スポンサー、いわゆる援助する人が必要とも言われます。こうしたスポンサー達は、芸術家の生活費を援助し、ときには遊興費なども十分に与え、芸術家を囲い、本人の好きなだけ絵や作品を作らせてきました。だからこそ、芸術家たちはお金に糸目を付けない素晴らしい作品が生み出すことができたのでしょう。現代ではなかなかこのような豪快なスポンサーとなられるような方もおらず、芸術家も苦労されているようで、自国にとどまらず、世界にむけてどんどん自分をアピールするような時代になっています。絹本 に彩色が施された111.7×40.7cmサイズの作品です。(No.52)