伊東深水の春の日の女性を描いた作品です。
伊東深水は、師の鏑木清方、上村松園と並び、美人画の三 巨匠 と称される近代日本画を代表する美人画家です。歌川派浮世絵の流れを汲む美人画や、同じ時代を生きる女性たちを健康的にリアルに描きました。そのモダンな風俗画は、当時から評価も高く、大衆からも人気を集めました。現在でもたいへん人気のある作家で、その作品は数百万の値段で取引されるほどです。この作品は、艶やかな裾模様が施された礼装、黒紋付の着物を着て、島田髷を結った女性を描いたものです。縁起物と言われる稲穂と鳩の 簪 をさし、背景に金彩を施し、梅の花を描き添えて、華やかな気持ちが存分に表れています。凛とした佇まいが美しいですね。また、簡潔な 線描 でありながら、女性のふくよかさを巧みに表現し、粋な味わいがあります。このような無駄のない画面構成は、彼の 全盛期 の特徴です。着物や小物の細やかな部分まで、丁寧に 緻密 に描かれていて、そこには自分の生きた時代の風俗を描きとめようとする 浮世絵 の 画風 が見られ、他の美人画作家にはない彼独自の魅力です。このような、伊東深水の全盛期の 上手 の作品は、高価に買取させて頂きますので、是非ご相談ください。作家は、努力を重ね、試行錯誤を繰り返して、自身の納得の行く 作風 を確立させて行きます。若書き の作品よりも、晩年 に描かれた作品の方が、熟練した深い味わいが出てきますので、 断然、高価に買取させて頂けます。作家の作品と一口に言ってもいろいろあるものです。制作年代や題材、出来栄えにより、価格は違ってきます。祇園の骨董街で長年培われてきた実績があります。売却依頼は、お気軽に、古美術やかたにご相談ください。70.2×51.8cmサイズの 紙本 に彩色で描かれた作品です。。(No.620)