福田平八郎の鮎を描いた名品をご紹介します。
福田平八郎は「一年の三分の一は釣りで過ごした」という時代もあるほど、釣り好きでした。特に、鮎釣りには熱心だったようです。この趣味が画家としての転機となります。写実の作家は、常にスケッチ道具を持ち歩き、いつも目に映るものを スケッチ するなど、研究や研鑽を積み重ね、自身の画風を確立さるものです。彼も釣りに行く先々で、川や湖でスケッチを熱心に行いました。そのスケッチをもとに、有名な「漣」などの名作が生み出されたのです。
今回ご紹介するのは、鮎の絵です。夏の季語ともなる鮎は、彼の重要なモチーフで、その習性を知り尽くすほど研究が重ねられました。活発に泳ぐ鮎の姿を巧みに切り取っており、その配置のバランスも面白く、素晴らしい 名品 ですね。楽しく遊ぶ鮎の姿、美しい色彩と構成が作り出すリズムは秀逸です。45.5×56.0cmサイズの、紙本 に彩色が施された作品です。1968年の作品ですので、76才、最晩年と言っても良い時期に描かれた作品です。彼の作品では、晩年 に描かれた、このような作品がたいへん人気があり、高価で取引されております。
多くの作家は、30代、40代ではまだ自分独自の 作風 には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。作家ものでは、やはり、晩年 の自身の 画風 に到達された作品の方が味わい深く、買取価格も数段上となります。晩年の 全盛期 の作品は高価買取対象です。当店では、日本画作家、洋画作家の作品など、数多くの作家の作品を扱っています。お気軽にご相談ください。(No.1500)