棟方志功の肉筆画を紹介します。
このような作品の市場価格は、二~三百万円だと思われます。当店の買取価格としては、最終販売価格の五割~七割で買取させて頂きます。絵画の一般的な価格は時代や人気によって、変動します。棟方志功の作品は、手彩色で一枚といって同じ作品がなくオリジナルの希少性をもつ版画で、出来栄えや保存状態によって価格は変更します。
94.0×87.5cmサイズの、紙に描かれた 肉筆 画です。棟方志功は自身が描く肉筆画を「倭画」と呼びました。下絵、彫り、摺りの工程を経ることで間接的な力がはたらく板画と違い、倭画は「直接筆をおろせば、それが結果となり、終始となる」と語り、筆に墨がついたら縦横無尽、一気に描き上げたと言います。間接的な表現方法である「板画」よりも、直接的にまた奔放に表現できる肉筆画を、多く描きました。「乾坤」とは天と地の意味です。花入 れに活けられたたくさんの花々が、美しく咲き誇っています。色彩も鮮やかで、華やかな味わいがあり、たいへん美しい作品ですね。自然へのあふれる賛辞や生への喜びを表現した 名品 と言えるでしょう。このような彼ならではの魅力にあふれる作品は高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。今回は花の絵でしたが、棟方志功と言えば、やはり 美人画 の 木版画 が有名ですね。第二次世界大戦中、富山県に疎開した際に 浄土真宗にふれ、「阿弥陀如来像」「蓮如上人の柵」など仏を題材にした作品を多く描きました。これらの 女性像 がやはり一番人気があり、その中でも特に、色彩豊かな、ふっくらとした美人画が高価買取対象作品です。晩年 の 上手 の美人大首絵になりますと、一千万を超える価格で取引されています。作家の描かれた作品には、いろいろありますが、多くの作家は、30代、40代ではまだ自分独自の 作風 には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品より、晩年 の 全盛期 に描かれた作品の方が、洗練された作品となり、価格も数段上となります。彼の晩年に描かれた作品は高価買取させて頂きますので、売却依頼の際には、お気軽にお問い合わせください。制作年代や題材、出来栄えなどにより、価格が違ってきますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.260)