福田平八郎の竹を描いた作品です。
福田平八郎は、斬新な視点と、天性の色彩感覚で、近代の日本画に新しい風を送り込んだ作家です。昭和初期頃には、桃山美術や琳派に影響されましたが、晩年 には写実と装飾の垣根を超えた、独自の境地に至りました。今回ご紹介するのは、竹の作品で、足しげく竹林に通い、生涯を通して描き続けた彼の主要なモチーフです。たくましく、しなやかな竹に、あふれだすような生命力を感じたのでしょう。抽象 化された背景には、淡い光が差し込み竹林のほのかに明るい情景が感じられ、どこか温かい気持ちへ誘われます。竹の形を単純化して描くことで、清らかな色使いを際立たせ、さらに節のひとつひとつを 線描 で丁寧に描くことで、画面にリズム感が表れています。トリミングされた 構図 も特徴的で、さすがと思わせる名品です。落款 などから、戦後の作品だと分かります。
彼は、戦後の1961年には 文化勲章 を受章するなど、国内のみならず世界的にもたいへん人気がある作家で、彼の作品は高価買取させて頂きます。特に、晩年 の発色の綺麗な 花鳥画 は高価買取対象です。同じ福田平八郎の作品でも、鳥の絵が描かれておりますと、価格はもっと高くなります。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。39.3×55.1cmサイズの 紙本 に彩色で描かれた作品です。(No.1300)