平櫛田中の大黒天像を紹介します。
平櫛田中は、21才の頃に 木彫 の道を志し、25才のころに高村光雲らに 師事 しました。西洋の塑像の研究にも励みながら 写実 を追求し、やがて、仏教や中国の故事を題材にした精神性漂う作品を制作するようになりました。晩年期に入ると、彩色像や寄木造りに挑み、107歳で没するまで、名品 の数々を残しています。木彫に彩色を施す 作風 は革新的で、国立劇場に収蔵された「鏡獅子」は、その集大成といわれています。明治、大正、昭和を通して日本の近代彫刻を牽引した 巨匠 です。
この作品は、1970年、彼が98才のときに作られた作品です。高さ17.8cmの、木彫りに彩色が施された白寿福聚大黒天尊像です。彼は、晩年期に、このような木彫彩色の大黒天尊像を数多く制作しています。このような大黒天の作品も彼の代表作のひとつです。白い顔の作品もありますが、この作品は紅いお顔になっており、いかにも福々しく豊かな表情が麗しい作品です。木彫り、彩色ともに、円熟期の熟達した深い味わいがありますね。このような、彼の晩年の彩色が施された木彫りの作品は、高価買取させて頂きますので、是非ご相談ください。平櫛田中は、大黒天の作品の他に、良寛などの人物像なども手がけており、そのような 上手 の作品になりますと、数百万の価格で取引される作品もあります。
作家は試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の境地に到達します。作家の作品には、いろいろありますが、晩年 の、自身の 作風 を確立させた 全盛期 の作品には、熟練した深い味わいがあり、高価買取させて頂けます。売却のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。著名な作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.250)