茶道具売却依頼で数点の諸道具や古陶器の瀬戸黒の茶碗を、福島県のお客様より宅配でお譲り頂きました。
売却例の説明
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先に品物を紹介させて頂きます。時代は江戸時代から明治時代頃に作られた 逸品 だと思われます。ご覧のように、長年の時代を経てきた味わいと風格があり、景色 が素晴らしい 瀬戸黒 茶碗です。この瀬戸黒 茶碗 は、本来の初期の瀬戸黒 茶碗までは時代が古くありませんが、形も面白く、瀬戸黒の味わいがある逸品で買取させて頂きました。保存状態 も良く、茶の湯 では 愛好家 のお客様に好まれる 逸品 です。
瀬戸黒の茶碗を買取させて頂きましたので、瀬戸黒茶碗の説明をさせて頂きます。瀬戸黒(せとぐろ)は安土桃山時代に美濃で焼かれた施釉陶器の一種です。この瀬戸黒には日本の 茶道具 や 骨董品 が多く含まれております。古い文献には「瀬戸から来た黒い茶碗」という表記がされていますが、当時は瀬戸・美濃を区別せず「瀬戸」と呼んでいました。瀬戸黒はその黒色が特徴であり、桃山時代では 茶碗 だけが作られたといわれます。釉薬 は鉄分を含んだ鉄釉をかけたものです。黒の発色から鉄釉の鉄分はおよそ10%前後と推察します。これを高温で焼いている状態で 窯 の外に取り出し、急冷させる 技法 を「引き出し黒」といいます。形の特徴としては端正な円筒型から、口縁の形に動きがあるものがあります。口縁部のゆるやかな起伏は「山道」(やまみち)、もしくは「五山」とも呼ばれます。作品の口作りに凹凸がある場合に使う表現で、たとえば志野・織部や楽茶碗にもこうした「山道」が見受けられます。また、瀬戸黒の中でも器形が極端に歪んだ形ならば織部黒(おりべぐろ)、黒をベースとしながらも、一部に白窓を設けて 絵付 けをするものは黒織部(くろおりべ)と区別しています。これら織部の黒色も鉄釉と引き出し黒の技法を用います。
このお客様のご事情は、先々代が福島県では有名な陶芸作品の コレクター で、いろいろな 陶芸家 の 染付 や 色絵 が好きで作品を多く集められておられました。この時代には日本の引き継がれた伝統の職人技が生きる素晴らしい作品が生まれた時代で、作家には陶芸家や漆芸家、ヨーロッパの 万国博覧会 で有名になられた作家もおられ、高価に買取出来る品物もあります。お譲り頂いた品物も瀬戸黒で面白い作品でした。