茶道具売却依頼で新潟県新発田市のお客様より写真をお送り頂き、宅配で煎茶道具や抹茶道具をお譲り頂きました。
売却例の説明
写真が7枚あります。くわしくはこちら
「新しい自宅なので、古道具 や 工芸品 などは無いと思っていましたが、亡くなった父が前の家から持って来たのか古い道具が出てきたので、骨董品 かも分からないと思い写真をお送りさせて頂きます」と話され、数点の写真をお送り頂きました。お住まいが新潟県の諏訪神社の近くらしく、その近辺には骨董店や買取専門店も無く、ホームページをご覧になり古美術やかたに写真をお送り頂いたようです。査定は無料でさせて頂きますが、最近では半分近くは買取出来ない道具が多くなりました。綺麗な灰匙なので、先に紹介させて頂きます。
煎茶道具 や抹茶道具で使われる、釜と風炉の風炉の灰を整えるのに使われる 茶道具 です。小さな作品ですが、共箱 で共布が付いております。長年使用されてきた 逸品 だと思われますが、保存状態も良く採光の加減で白く光っておりますが、完品です。金工作品の中でも、丁寧な 彫金細工 が施され、彫る技法素晴らしい逸品です。高木治良兵衛は江戸時代から続く茶道具の釜や鉄瓶などを多く作られた著名な作家の金工作家で、現在では6代高木治良兵衛が継いでおられます。
良い機会なので、日本の 金工作品 と高木治良兵衛の紹介をさせて頂きます。日本の金工品や刀装具、また甲冑で製作する際に必ず使われる製作技法が彫金細工です。その種類は、糸鋸や鏨で切り取った「透かし彫り」や、地金を彫り模様や図案・文字を入れる「毛彫り・片切彫」などの種類があります。また、地金の裏から大きく打ち出した後、表から細部を押さえていく「打ち出し」の 技法 もあります。本体の地金に意図する図案の溝を彫り、別の地金を嵌め込む技法が「象嵌」です。他には地金の表面に細かい目を入れ金箔や金糸を打ち込む「布目象嵌」などがあります。高木治良兵衛の高木家も釜などを主に作り現在も伝統を保持しており、初代 高木治良兵衛は(1828年~1885年)で、大西家十世浄雪に兄弟で師事し、兄は大西家十二世浄徳を継ぎ、十三世浄長の後見人として大西家に残る初代一世は大西家より独立し三条釜坐にて安政二年創業、初代高木治良兵衛を名乗ります。その後、6代高木治良兵衛となり、五世の義弟:鎚起師三世「美芳」を継承・製作し、一方四世に 師事 し釜を製作しつつ五世の後見人として活躍し、現在各地で二人展を多数開催しておられます。