西陣の子供達
2007.10.16
リー君と行ったトンボ取り,続編
夕刻近くになりますと、
子供達が広場にやってきます。
目的は一つ、トンボ です、
上級生や中学生も来ています、
彼らが、リー君に、からかいます。
「木綿のリーか、塩からトンボもとれへんなー」
リー君、得意そうに、絹糸の仕掛けを見せていました、
いつもの、笑顔 ニコ、ニコ、です、
そして、
広場に夕焼けが、ちかずく頃、
子供達の会話も無くなり、
静まりかえった、中 全員が空を見上げています。
気が付けば、下級生の僕達は、一番に来たのに端の方に追いやられていました。
誰かが、仕掛けを空に投げると、
皆一斉に、投げるんです、
トンボが、見えても、見えなくても、
僕は隣の上級生に言われました、
「おまえは、チビで、非力や、上って無いわ、、」 て
一生懸命投げているのですが、
トンボが飛んでいる所まで、仕掛けが上って無いんです。
そうなんです私は、特に小学生の時、背が低く、体が弱かったんです。
しばらくしたら、
リー君が来て、僕の前でかがんでくれて、
たっちゃん、肩車、て言うんです、
エーって、思いましたが、
早ょう、早ょう、て
気が付けば、
飛び抜けて背の高い、リー君の上に僕は、いました。
ちょぴり、恥ずかしだけど、
すごく、トンボ に近付いた気持ちになり、嬉しくて、
2~3回、仕掛けを投げてみましたが、
やっぱり、届きませんでした。
結局、トンボはとれません。
夕暮れの帰り道、
リー君、何度も、何度も、言ってました。
絹糸や、絹糸や、明日は、とれるで、 て
西陣の子供達、、、、終わり。
今頃、どうしてるかな、優しい、リー君、