香炉の歴史と 買取

香炉は元々は仏具で、仏前に置く小さな三具足の香炉が一般的に知られています。仏具である三具足、五具足の 花入 れや 燭台 と共に用いられてきました。やがて、香道や床の間の 置物 飾り、茶道具 としても使われるようになりました。

中国では戦国時代末期に現れ、漢代以降さかんに用いられました。紀元前3世紀頃の戦国時代には青銅製の香炉が既に存在し、漢代には山岳をかたどった「博山炉」と呼ばれる香炉が流行しました。「博山炉」で香を焚くと仙山に霊雲がたなびくように見えると言われ、香炉を視覚的にも楽しんでいたようです。また、龍をかたどった香炉もあり、香を焚いたときに生じる香煙によって雲気をともなう龍が表現されているものもありました。

日本へは、仏教とともに伝来しました。元々は仏具で、香りを楽しむためのものというよりは、香りで空間を清めるという意味合いを持っていました。仏具の香炉は香を供えるためのもので、燭を供えるための燭台、華を供えるための華瓶とともに三具足の一つとされています。平安時代ごろになると、宗教的な意味合いとは切り離されて純粋に香りを楽しむ文化が生まれ、香道の初期といわれる「問香」が始まりました。鎌倉時代には、一本の香木の香りを鑑賞する「聞香」の方法も確立されました。室町時代の東山文化では茶の湯や生け花とともに香道も人々が寄り集まっておこなう寄合文化の一つとして、発展しました。やがて、江戸時代に入り、武家の茶道が発達すると、大名たちが観賞用として香炉が重用するようになります。やがて上流商家でも使われるようになり、明治維新後は、床の間の置物飾りなどにも用いられるようにもなりました。

最近は趣味としてお香を楽しむ人も増え、年代物の香炉、有名な作家の香炉などはたいへん人気があります。

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