加藤唐九郎 略歴

茜志野茶盌　銘　稲穂浪

1897年（明治30）愛知県東春日井郡水野村（現瀬戸市水野町）の 窯 屋の家に生まれる。
本名は庄九郎で、はじめ本名である「加藤庄九郎」を名乗るが、同業に同名が多いことから「加藤唐九郎」と改名する。
号は一無斎、一無山人、野陶、陶玄、玄など。長男は 陶芸家 の岡部嶺男、三男は加藤重高、孫は加藤高宏。
1908年になると父が製陶業に専念することとなり、瀬戸町乗越に住所を移した。
幼少より家業の製陶に従事し、29歳の時に陶芸に専念し、かたわら 陶磁器 の学術研究に打ち込み、各地の古窯址の発掘調査も行った。
自らも、そんな父の姿を見ながら陶芸家として生きて行くことを決意。
中根塾に 入門 し、南画・漢籍などを学ぶようになっていく。
1914年には、製陶工場の一部の使用権を譲り受けることとなり、加藤唐九郎本人も本格的に陶芸家としての道を歩み始める。
建築物と陶磁器を組み合わせた「陶壁」を完成させる。
瀬戸古窯地の調査を通じて古瀬戸、織部焼、志野焼の 技法 を研究し、伝統的 陶芸 の研究・再現に努め、卓越した技倆を示し、高度な陶芸技術に達した。
また、桃山時代の黄瀬戸・織部・志野の写しなどに優れ、再現に尽力した。
1930年（昭和5）に志野 茶碗「氷柱」を発表して以来、中世の瀬戸焼、桃山時代の志野、黄瀬戸、織部など瀬戸美濃地方の 伝統 陶芸を目標に定めて作陶し、持ち前の天衣無縫な気質によって個性づけられた独自の 作風 を開拓した。
晩境になるほどにその美的内容を深めた、現代の代表的陶工である。
その後、幼馴染であった5歳年下の妻、きぬと結婚をしており、ここから瀬戸系の古釜の調査や研究に没頭していくこととなる。
「黄瀬戸」の中で、瀬戸焼の祖とされてきた加藤四郎景正の実在を疑ったことで大きな話題となり、過激派からの仕打ちなどで自宅が焼き討ちなどにあう。
1952年（昭和27）織部焼で 無形文化財 保持者となるも、1960年（昭和35）永仁の壺事件で公職を辞した。
永仁の壺事件とは、愛知県の東春日井郡志段味村の 窯 跡から鎌倉時代末期の年号である「永仁」の文字が入っている 壺 が発見され、1960年に重要文化財に指定されたが、実は加藤唐九郎が作った偽物だったことが明らかとなり、大騒ぎとなった事件。
その後、日本陶磁協会・日本工芸会理事となる。
1954年愛知県文化教育功労賞、同文化賞、中日 文化賞 などを受賞。
陶芸の世界に広く貢献した事からも1965年には毎日芸術賞を 受賞。
1985年（昭和60）12月24日死去。88歳。
著作に「黄瀬戸」などがある。

加藤唐九郎の主な出来事や作品の年表

明治30年（1897）半農半陶で窯業を営む加納桑次郎・みと夫妻の長男・庄九郎として生まれる。
幼少時より窯場になじむ。
明治41年（1908）この年より父・桑二郎が製陶業に専念し、瀬戸町乗越（現瀬戸市窯神町）に転居する。
明治44年（1911）中根塾に 入門 し、南画・漢籍を学ぶ。
大正 3年（1914）父の製陶工場の一部の使用権を譲り受け、本格的な作陶生活に入る。
建築物と 陶磁器 の組み合わせた「陶壁」を完成させる。
瀬戸古窯地の調査を通じて古瀬戸、織部焼、志野焼の 技法 を研究し、伝統的 陶芸 の研究・再現に努め、卓越した技倆を示し、高度な陶芸技術に達した。
また、桃山時代の黄瀬戸・織部・志野の写しなどにすぐれ、再現に尽力した。
この頃より父方の祖母の家系である加藤家に一家が復籍する
（祖父は当初婿養子だったが、その後元の加納姓を名乗っていた）。
後に、「加藤庄九郎」が同業に多いことから「加藤唐九郎」と改名する。
大正 7年（1918）幼馴染であった5歳年下の妻・きぬと結婚。この年から本格的な瀬戸系古 窯 の調査に入る。
昭和 4年（1929）1月、瀬戸古窯調査保存会が発足し、常任理事となる。
11月、瀬戸市祖母懐町に製作拠点を移す。
昭和 5年（1930）志野茶碗「氷柱」を発表して以来、中世の瀬戸焼、桃山時代の志野、黄瀬戸、織部など瀬戸美濃地方の 伝統 陶芸を目標に定めて作陶し、持ち前の天衣無縫な気質によって個性づけられた独自の 作風 を開拓した。
晩境になるほどにその美的内容を深めた、現代の代表的陶工である。
昭和 8年（1933）宝雲社より出版した「黄瀬戸」の中で、 瀬戸焼の祖とされてきた加藤四郎景正の実在を疑い、少なくとも開祖ではないと結論づける。これにより自宅が焼き討ちに遭うなど大きな非難を受けた。
昭和 9年（1934）港区青山の私邸に「陶壁」を試行する。
昭和18年（1943）愛知県西加茂郡に築窯。
昭和27年（1952）織部焼 の技術で国の無形文化財有資格者に認定。
昭和30年（1955）荒川豊蔵、石黒宗麿らと「日本工芸会」を結成。
昭和31年（1956）中日 文化賞
昭和35年（1960）永仁の壺事件。
愛知県の東春日井郡志段味村の窯跡から鎌倉時代末期の年号である「永仁」の文字が入っている壺が発見され、
1960年に重要文化財に指定されたが、実は加藤唐九郎が作った偽物だったことが明らかとなり、大騒ぎとなった事件。
漢学者服部担風翁より「一無斎」の 号 を贈られる。
昭和36年（1961）永仁の壺事件により、国の無形文化財有資格者の認定を取り消される。
昭和40年（1965）毎日芸術賞受賞。
桃山時代の陶芸の研究と再現に努めた。
昭和41年（1966）日展 で特選北斗賞を受賞。
昭和42年（1967）日本陶磁協会賞を受賞。
昭和45年（1970）日本現代工芸展で工芸賞を受賞。
昭和46年（1971）以降は公募展出展を止めて、作品発表を 個展 とした。
昭和51年（1976）財団法人・翠松園陶芸記念館設立。
昭和60年（1985）12月24日、没。享年88。戸籍上は87歳
平成10年（1998）名古屋芸術家特賞を 受賞。
現代美濃陶芸会の重鎮で、 志野、織部、黄瀬戸、唐津の茶陶を中心に陶壁も手掛けた。

買取作家一例

買取方法と流れ

★出張買取　出張・査定・見積り、全て費用は無料

★宅配買取 送料無料、買取価格保証

★全て現金でお支払い

買取実績 PURCHASE RECORD

老舗骨董店の当店ならでは1000点以上の買取実績を写真入りでご覧ください。

数種類の伊万里焼の骨董品宅配買取を頂き、このようなお皿もお譲り頂きました。

販売価格￥15,000-

写真7枚掲載、クリックしてご覧下さい。

2025.01.28

写真が7枚あります。くわしくはこちら 江戸時代末期頃に作られた伊万里焼です。写真をご覧のように、面白い 図柄 が、細かく丁寧に描かれており、非常に美しい 赤絵 の皿で買取しました。すべて手描きで、赤絵付けが素晴らしく、可愛らしいお皿です。さすが昔の 職人技 と思わせる 逸品 で買取ました。採光の加減で白く光っておりますが、傷やヒビ、割れ等は無く、ご覧のように状態の良い品物です。価格は1枚の値段ですが、在庫は5枚あります。この作品は、競り市やオークションで買い受けた作品ではありません。直接お客様より入荷した、うぶ荷と呼ばれる貴重な蔵出しの 骨董品 で、現状のまま販売しております。 伊万里焼について説明します。 伊万里焼は、九州北西の佐賀県有田町周辺で17世紀から作られている磁器の総称で、日本最古の産地でもあります。16世紀末の朝鮮出兵時、朝鮮人陶工を伴い帰国した、李参平が磁器原料の磁石を発見し、日本で作陶を行うこととなり、17世紀初頭が 伊万里焼 のはじまりとされています。朝鮮人陶工の下に、日本人陶工も磁器に関わる高度な技術を習得して、さらに中国 景徳鎮 磁器の技術習得が図られ、色絵 技法 も習得しました。磁器は中国が発祥の地ですが、戦乱と王朝交代で中国磁器の輸入が途絶え、代わりに有田が磁器生産を増やし、国内の磁器市場を築いた。当初の朝鮮式の技術から中国式の技術への転換が起こり、技法が刷新されて、色絵 の技法が中国人陶工より伝えられ、現在の伊万里焼の磁器の基となっております。

• 

  茶道具宅配買取依頼を頂き、煎茶道具や抹茶道具をお譲り頂きました。

  売却済
  写真5枚掲載、クリックしてご覧下さい。

  2025.01.27

  この商品の説明と写真を見る
• 

  数点の形彫根付の骨董品宅配買取を頂き、お譲り頂きました。

  ￥100,000-
  写真18枚掲載、クリックしてご覧下さい。

  2025.01.26

  この商品の説明と写真を見る
• 

  綺麗な銀瓶の骨董品宅配買取を頂き、お譲り頂きました。

  ￥280,000-
  写真15枚掲載、クリックしてご覧下さい。

  2025.01.25

  この商品の説明と写真を見る

以前の買取商品はこちら