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板谷波山の香炉を紹介します。

近代陶芸界を代表する 巨匠 板谷波山の作品です。高8.0cm×幅10.1cm、高台内に「波山」と があります。彼は、巧みな 彫刻 技術 を駆使し、西洋の アール・ヌーボー 様式や中国陶磁の意匠を取り入れ、豊穣で格調高い作品を生み出しました。彼の作品は、青磁白磁、彩磁のいずれの作品も、従来の 色絵 磁器とは異なるソフトで絵画的、幻想的 な 作風 が特徴的です。光沢のある 釉薬 をかけた「彩磁」や、艶消しの釉薬をかけた薄絹を透かしたような淡い光を放つ「葆光彩」など、彼独自の技法による作品はたいへん人気があります。
この作品は、白磁の香炉です。美しい色味と端正な器形は、品格があり、優美な味わいがあります。火屋には 瑪瑙 が付いており、作品に深い彩りを添えていますね。このような、気品のある 上手 の作品は、高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。中でも特に、晩年の作風が冴える作品が高価買取対象作品です。陶芸作品は、窯で火をくぐり完成される作品です。その色や形を探るのに何千回と窯に火を入れ、陶片を焼きます。 の周辺では多くの陶片が残され、作家が熱心に研究した跡が残る窯も多くあります。試行錯誤を繰り返し、たくさんの失敗を重ね、努力の末に、名品が生まれてくるのですね。やはり、自身の納得の行く境地を確立させた 晩年 の作品には、熟練した深い味わいがあります。板谷波山の晩年の上手の作品になりますと、数千万の価格で取引される作品もあります。「薄肉彫」によって文様が浮き彫りにされた花瓶や、「彩磁」「葆光彩」など独自の技法による優美な格調の高い 花入 れになりますと、この香炉に比べて、取引価格の桁が一桁違ってくる場合もあります。
ご相談で、よく作家名での買取価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.310)