何代も続いたお宅より、骨董品売却依頼を頂き、兵庫県豊岡市まで出張して漆芸品や骨董品を売却頂きました。
売却例の説明
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この作品は、江戸時代の作品で、またこのお宅は兵庫県でも玄武洞公園の近くで昔から続いたお宅ですが、明治時代に一度建て替えられて、骨董品 や 茶道具 は処分されたのですが、小さな 古美術工芸品 や 古道具 は納屋の箪笥の中にしまわれており、買取して頂けるのか出張して見て下さいとお電話を頂きました。拝見した結果、残った 諸道具 を買取させて頂きました。やはり、昔の逸品は 職人技 が素晴らしい面白い作品があり、売却頂くのが楽しみです。昔の漆芸品で面白い作品なので、先に紹介させて頂きます。
昔に作られた螺鈿細工の 逸品 ですが、丁寧な 蒔絵 に優雅な 螺鈿 細工が施された作品です。江戸時代から明治時代に作られた漆芸作品で、長年の年月を経てきた味わい深い香合です。螺鈿細工で長年使用されてきた作品ですが、保存状態も良く、共箱ではありませんが合わせ箱が付いております。ずいぶん昔の作品で、螺鈿細工は技法が難しい逸品ですが、昔の 技法 が使われており、伝承された職人技が見られます。
螺鈿細工の歴史について説明します。
元々螺鈿細工は、奈良時代に唐から輸入され、平安時代には、漆芸の装飾技法として蒔絵との併用が流行しました。其の後ヨーロッパとの貿易によって急成長して、ヨーロッパでは一つのステータス・シンボルとなり、非常に人気がありました。そして江戸時代になっても螺鈿は引き続き人気がありましたが、幕府の鎖国により螺鈿職人は日本向けの商品に集中しました。江戸時代から明治時代の螺鈿細工の基礎は、このようにして築かれました。
螺鈿の技法を説明させて頂きます。
主に 漆器 や帯などの伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつで、貝殻の内側、虹色光沢を持った部分を切り出した板状の素材を、漆地や木地の 彫刻 された表面に嵌め込む技法で、螺は貝、鈿は散りばめることを意味して、そのような方法で 工芸品 が作られました。使用される貝は、夜光貝や白蝶貝、また黒蝶貝や青貝、そしてアワビ、アコヤガイなどが使われます。奈良時代に唐から輸入され、鎌倉時代になると鞍の装飾として好まれ、室町時代になると中国の螺鈿細工の素晴らしい技術も導入されました。そして、安土桃山時代には輸出用の漆器は南蛮漆器と呼ばれ、ヨーロッパとの貿易によって急成長を成し遂げ人気のある工芸品となり、其の後江戸時代の日本では鎖国により日本向けの螺鈿が主要の品物となり、現在の螺鈿細工の基礎が築かれて行きました。