骨董品売却依頼で、山梨県忍野村のお客様に蒔絵の文房具を宅配でお譲り頂きました。
売却例の説明
写真が47枚あります。くわしくはこちら
写真6 横幅約 13cm 縦幅最大約 2.5cm
写真13 長さ約 18.7cm 縦幅約 1.5cm 中の刃の部分 長さ約 6.2cm
写真18 長さ約 21cm 縦幅最大約 1cm 中の刃の部分 長さ約 5cm
写真25 長さ約 17.5cm 胴の太さ最大約 0.8cm 中の筆先 長さ約 2.5cm
写真29 長さ約 19.6cm 胴の太さ最大約 0.8cm 中の筆先 長さ約 2.5cm
骨董品 や 茶道具 は全て手作りで、同じ物が二つとありません。大量生産ではなく、誂えの品物で、一点一点価格が変わります。我々古美術骨董商はその様な作品の価格や真贋を見極める為、大変な修行と時間がかかり、鑑定 士との言葉を聞きますが、古美術骨董の世界には鑑定士という資格はありません。このお客様は一つの品物を買取させて頂くのですが、多くの 逸品 が一緒に入っていて、LINEで沢山の写真をお送り頂きました。綺麗な作品なので高価買取させて頂きました。遠く富士山の近くの忍野八海付近に住んでおられ、このような文房具も売却する骨董店も無く、当店を探してLINEを頂いたようです。
この作品は大正時代前後の 硯箱 用の筆一式です。写真をご覧のように、古い時代 から日本に 伝承 されている漆芸が素晴らしい作品です。現在では見られない何度も塗り重ねられた昔の 職人技 が素晴らしい 逸品 です。美しい平目 梨地 が全体に施されており、金具は銀製で 細密 な 彫金細工 が素晴らしく、現在の作家ではなかなか作れない 名品 です。文房具でこのような硯箱用の筆一式の作品は、非常に珍しい品物です。採光の加減で白く光っておりますが、ご覧のように傷んでいる所も無く、 保存状態 の良い品物です。箱が付いております。
蒔絵 は日本の 伝統技術 なので、少し蒔絵の説明をさせて頂きます。漆器 の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉をまき、定着させる 技法、もしくはその技法を用いて作られた漆器で、日本独自の漆工芸で、奈良時代から始まっています。金銀の薄板を定着させる平文蒔絵や、漆器表面に溝を彫って金銀箔を埋め込む沈金蒔絵、また夜光貝、アワビ貝などを文様の形に切り透かしたものを貼ったり埋め込んだりする 螺鈿 細工などがあり、特に日本で発展し使われてきた日本の漆器における代表的な技法です。絵を描くように金属の粉を蒔いていく作業から「蒔絵」という技法名が付けられたようです。