広島県のお客様より平蒔絵の棗をお譲り頂きました。
売却例の説明
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今回は広島県庄原市の上野池近くにお住まいのお客様より直接作品をお持ち頂き買取させて頂きました。当店の方針を少し説明させて頂きますと、作品をゆっくり拝見し、作品の作者や時代背景、市場での需要などをできる限り丁寧にご説明させて頂き、買取させて頂いております。納得していただくよう努めておりますので、諸道具 にはいろいろありますが、どの様な 古美術工芸品 でもご安心してお持ちくださいませ。
この 棗 は平蒔絵を施された作品で、保存状態 の良い茶道具の 逸品 です。竜田川の蒔絵が描かれておりますが、共箱も無く、裸の状態です。綺麗な竜田川の蒔絵なので紹介しております。蒔絵は、漆器 の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉をまき、定着させる 技法 です。日本独自 の漆工芸で、奈良時代から始まっており、絵を描くように金属の粉を蒔いていく作業から「蒔絵」という技法名が付けられたようです。
平蒔絵には消し平蒔絵と磨き平蒔絵があります。消し平蒔絵は、漆を使って出来るかぎり薄く絵を描き、その上に消し金粉と呼ばれる金粉を粉筒または真綿に付けて蒔きます。漆の部分には全て金粉が付着し、蒔いた跡がはっきりと表れます。漆が乾いたら、摺り漆をし再度乾かします。この工程によって金粉がしっかり付着します。漆が乾いたところで、完成となります。磨き平蒔絵は、消し金粉より粒子の粗い金粉を蒔きます。その後は消し平蒔絵と同じ手順ですが、最後に漆が乾いた後、金粉の上からさらに磨き作業を行い、完成となります。消し平蒔絵に比べて、より光沢のある蒔絵になります。