加山又造の婦人像の素描です。
55.0×75.0cmサイズの作品で、紙にインクで描かれています。横たわる婦人の柔らかな体付きや、艶のある所作などが、鋭い観察眼で描かれており、肉筆 の デッサン画ならではの、素直な思いや熱が伝わってきます。しかしながら、この作品は 素描 作品ですので、価格はだいぶ低く取引されます。同じ作家の作品でも、大きな キャンバス に描かれた力作の方が、断然高価になります。簡単に描かれた書画や小さい作品と、何日、何ヶ月もかけて描かれた大きなサイズの力作とでは、価格は10倍、20倍と違ってくるのは当然のことかと思います。同じような婦人画でも、裸婦の作品となると、数十倍の価格、数千万の値段で取引される作品もあります。加山又造は、浮世絵 美人画 に魅せられ、裸婦というテーマに取り組み始めました。彼の描く裸婦は、柔らかで潔いしっかりとした線で描かれているのが特徴です。抜群の人気を誇る日本画家の1人で、多くの作品に高価な価格がつきます。加山又造の作品は、どのような作品でも高価買取対象ですが、裸婦の作品はたいへん人気があり、高価に取引させて頂きます。また、晩年 好んでモチーフに使用した、鮮やかな色彩で描かれた牡丹の絵なども、評価が高く、高価に取引されます。買取のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、価格が違ってきます。一度ご相談頂ければと思います。(No.62)