音丸耕堂らしい堆漆の茶道具です。
音丸耕堂の色彩豊かな漆芸作品を紹介します。高さ5.1×幅8.6cmの棗で、彫漆という、漆を何回も塗り重ねて層を作った上から 彫刻 し文様を出すという独特の 技法 で、優雅に飛ぶ鳥が表現されています。音丸耕堂は彫漆の 人間国宝 で、漆器 で出来ているとは思えないほど彩り豊かで、斬新な文様の作品を作りました。この作品のように、色彩の断層面を表に出した平行縞模様の技法をはじめ、色漆に金銀粉を混入して塗り、漆の固まる間に金銀が沈澱して層ができるのをいかして文様が出るように研ぎ出す技法などを 独学 で研究し、新しい世界を切り開いてきました。最近では才能は何もしなくてもすぐに開花すると思う若者も多くおられますが、プロスポーツやオリンピックの選手達と芸術家は似ており、何年もかかり、また周りの人に助けてもらい非常な努力で独自の境地に入っていったようです。買取のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や出来栄えにより、10倍、20倍と買取価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。（No.46）