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楠部弥弌の彩埏の香炉を紹介します。 

楠部弥弌の 香炉 を紹介します。高さ11.2cm×幅11.8cmで、高台内に「弥」と があります。楠部弥弌は、色絵や金彩、染付 など多彩な 作風 を展開しましたが、中でも代表的な 技法 に「彩埏」と名付けられた釉下彩磁が広く知られています。白い器に盛り上がった草花の文様が、美しい陶器はたいへん評価が高く人気があります。それが「彩埏」の特徴です。草花を主なモチーフとして、文様を淡く浮き立たせた 花瓶 や飾り 香炉 などの彩埏作品は、優美な味わいがあります。釉に固有の色を出させるための呈色剤を混ぜた磁器土を、水を加えて軟らかくし、何度も薄く塗り重ねて、浮き彫り風にして文様を出します。パリ万国博覧会などでも絶賛された海外でも人気のある 陶芸家 です。
この作品も、白椿が美しく浮かび上がりたいへん味わいのある作品ですね。彼の作品では、このような彩埏技法を用いた作品が高価買取対象です。中でも特に、晩年全盛期 に作られた作品が最も高く評価させて頂ける作品になります。30代、40代ではまだ自分独自の境地には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品より、晩年 の作品の方が、洗練された作品となり、買取価格も数段上となります。晩年の気品ある 上手 の作品になりますと、数百万の価格で取引される作品もあります。
陶芸作品は火の中をくぐって出来上がります。作品の 景色 や、状態は、焼きあがるまでわかりません。 を開けて、初めて品物の良し悪しが決まるものです。そこに陶芸作品の面白さがあり、同じ窯で同時に焼かれても、一点、一点、違い同じ焼き上がりの陶芸作品はありません。同じ模様の作品でも、焼き上がりの景色や出来栄えにより、価格は2倍、3倍と変わります。また、産地の特定や、時代の判断は、高台 の土や作品の色合い、また 図柄 の伸びやかさや構図、形で判断します。その査定には確かな知識と経験が必要となります。陶芸 作品の真贋を問う場合や、時代を見るのは数十年の経験が必要です。当店は、祇園の骨董街で長年培われてきた実績があります。売却のご相談は、古美術やかたにご依頼ください。(No.340)