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酒井抱一の鴛鴦のいる風景を描いた素晴らしい作品です。

水辺に遊ぶ番いのおしどりを、鮮やかな色彩で描き出した作品です。おしどりは、夫婦仲睦まじいことの例えで、日本画の題材として 古い時代 より好まれてきました。岩や草花が 琳派 の絵師たちが好んで用いたたらし込みの 技法 でみずみずしく描かれており、典雅な趣きが感じられる 名品 です。さすが「江戸琳派の祖」と称されている酒井抱一の作品ですね。また、流れる水の動きを表す流水文も優美です。みぞれの降る様子も描かれておりますが、季節や気象の繊細な変化を描くことは、従来の琳派作品にはみられないことで、江戸琳派ならではの表現と言えます。酒井抱一は、幼い頃より狩野派土佐派円山派浮世絵などを幅広く学び、その画法を習得しました。36才で出家してからは、尾形光琳の琳派様式を慕い、江戸後期の粋人らしい洗練された感覚を織り交ぜた「江戸琳派」と呼ばれる新方式を築き上げました。このように、琳派の画風に独自のスタイルを加えて描かれた彼の作品は高価買取させて頂きます。中でも特に、四季の草花を描いた 晩年 の作品は評価も高く、一千万を超える値段で取引される作品もあります。どの作家にも言えることですが、やはり、晩年 の作品には熟練した深い味わいがあります。一口に作家の作品と言っても、制作年代や題材、出来栄えなどにより、買取価格が違ってきますので、その査定には審美眼が必要となります。品物の真贋を問うことを「鑑定」といいます。品物の値段を決めることではありません。真贋を問う力は、身に付けるのに数十年かかってもなお奥が深く難しい、というのが現実です。我々古美術骨董店業界では、鑑定士という資格は無く、数十年かかり長年の経験と信用を得てはじめて査定や鑑定ができるようになります。業界内で 真贋 を問う場合、簡単な言葉ですが、「ゴリっとしている」とか「すっきりしている」とか簡単な言葉でしか表現できないものです。しかしながら、そのたった一言に数十年の重みがあるのです。売却のご相談は、信頼と実績のある祇園の骨董店、古美術やかたにご依頼ください。110.1×41.3cmサイズの 絹本 の作品です。(No.820)