買取実績 buy

尾形乾山の得意とする水指しを紹介します。

 

 

 

 

 

 

尾形乾山の 水指し を紹介します。高さ17.1cm×幅19.2cmの、通圓釣瓶水指です。尾形乾山は、野々村仁清に陶芸を学びました。民衆文化を背景に、高い文学性を内包した詩書画一体の器や異国趣味の新奇な意匠の作品を生み出しました。
この作品は、彼が得意とした意匠です。胴部には鉄釉で通圓釣瓶についてしたためられています。通圓とは、代々続く宇治の茶屋の当主のことです。 十代、十一代通圓の時代、豊臣秀吉千利休に特別に作らせた釣瓶で宇治川から 茶の湯 用の水を汲み、伏見城へ届けさせるように命じました。その際に使用した釣瓶を模して作られたのが、この通圓釣瓶水指です。 実際の通圓釣瓶は、今も通圓家に保存されています。その見事な筆跡からは、彼が中国伝統の書に精通していることが分かり、卓越した技量が窺えます。水指し本体は、素地 の上に白泥を施し、鉄釉が塗られています。
このように、彼の作品には、大胆なデザイン感覚で、彼特有の芸術性が溢れた作品が多くみられます。琳派を代表する兄の尾形光琳絵付 でも彼を助け、兄弟合作の作品が数多く残されています。このような合作の作品が高価買取対象です。陶芸作品のみならず、晩年、江戸に出てから制作した書や絵画においても、俗気を脱したおおらかで文人的な洒脱味がある多くの名作があります。彼の晩年の、大胆なデザインや芸術性があふれた作品は高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。
作家は試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の境地に到達します。作家の作品には、いろいろありますが、晩年の、自身の 作風 を確立させた 全盛期 の作品には、熟練した深い味わいがあり、高価買取させて頂けます。中でも、亡くなられる一年前、二年前の最晩年の作品は、最も高価に取引される作品となります。ご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.250)