松井康成の得意とする作品を紹介します。
松井康成の作品を紹介します。高さ13.8cm×幅24.6cmで、底部に「康」と 銘 があります。陶器でつくられた陶筥です。美しいマーブル模様のようなカラフルで美しい作品ですね。松井康成は、練上手の人間国宝です。斬新な現代感覚を練上手に採り入れた第一人者です。練上手とは性質の異なる色の粘土を練り合わせ、その伸び縮みで模様をあらわす 技法 です。さまざまな色に染めた粘土を練り合わせてブロックを作り、スライスした粘土板を成形して作り出されます。この技法を「練上手」と言います。黄土色、白色、水色、紺色などの土を幅を変えて練り上げ、より複雑で魅力的な作品となっています。このように、二種類以上の陶土を用いて作られた彼の華麗な作品は高く評価させて頂きます。特に、晩年 の 全盛期 の作品が人気で、最も高価に買取させて頂けます。
芸術家が生涯かけて制作された作品は、数多くありますが、力作や秀作と言われる作品は、実は全作品の二割ぐらいだと言われています。作家は試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の境地に到達します。作家の作品には、いろいろありますが、晩年の、自身の 作風 を確立させた円熟期の作品には、熟練した深い味わいがあり、高価買取させて頂けます。売却依頼のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.36)