堆朱楊成の蝶の蒔絵が施された茶器です。
高さ5.7×幅8.1cmで、漆黒の地に蝶が華やかに舞う様子が蒔絵で表現された棗を紹介します。堆朱楊成は漆工の名工で、堆朱 と呼ばれる、漆を何回も塗り重ねて層を作った上から 彫刻 し文様を出す独特の 伝統 技法 を得意としており、堆朱が 細密 に施された作品は高価買取対象になります。しかしこの作品は堆朱ではなく簡単な蒔絵が施されているだけなので、価格はかなり安くなります。簡単に作られた小さな作品と、何ヶ月、何年もかけて作られた 緻密 で丁寧な力作とでは、価格が10倍、20倍と違ってくるのは当然のことです。また、作家ものでは、やはり、晩年 の洗練された 作風 の作品の方が、買取価格も数段高くなります。多くの作家は、30代、40代ではまだ自分独自の作風には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品(前作)と比べると、自分の世界観を確立した晩年の 全盛期 の作品の方が味わい深く、高く評価させて頂けます。お気軽にご相談ください。(No.8.5)