堆朱楊成の硯箱の名品を紹介します。
堆朱楊成の代表作、彫漆で作られた 硯箱 です。 高さ5.3×幅26.5cmで、漆を何回も塗り重ねて層を作った上から 彫刻 し文様を出すという独特の 堆朱 技法 で、現在でも受け継がれています。漆芸の名工、堆朱楊成は南北朝時代から代々続き、足利家をはじめ豊臣家や徳川家に仕え数多くの作品を残しています。
彼らのような芸術家が育つためには、スポンサー、いわゆる援助する人が必要で、古い時代 のこうしたスポンサー達は、芸術家の生活費を援助し、ときには遊興費なども十分に与え、芸術家を囲い、本人の好きなだけ作品を作らせてきました。だからこそ、芸術家たちはお金に糸目を付けない素晴らしい作品を生み出すことができたのでしょう。現代ではなかなかこのような豪快なスポンサーとなられるような方もおらず、芸術家も苦労されているようで、自国にとどまらず、世界にむけてどんどんアピールするような時代になっていますので、大変な時代です。
堆朱楊成の場合ですが、このように 細密 で丁寧な細工が施され、優雅さが漂う 晩年 の作品が高価に買取させて頂けます。同じ作家の作品でも、制作年代や出来栄えにより、10倍、20倍と買取価格が違ってきますので、売却依頼の際には、お気軽に古美術やかたにお問合せ下さいませ。(No.100)