楠部弥弌の彩埏の花瓶です。
楠部弥弌の 花瓶 を紹介します。高さ21.2cm×幅10.7cmで、高台内に「弥弌」と 銘 があります。
楠部弥弌は、色絵や金彩、染付 など多彩な 作風 を展開しました。彼の代表的な 技法 には「彩埏」と名付けられた 技巧 があります。白い器に盛り上がった草花の文様が、美しい陶器はたいへん評価が高く人気があります。草花を主なモチーフとして、文様を淡く浮き立たせた花瓶 や飾り 皿、香炉 などの彩埏作品は、優美な味わいがあります。パリ万国博覧会などでも絶賛された海外でも人気のある 陶芸家 です。
彼の作品では彩埏技法を用いた、晩年 の 全盛期 に作られた作品が最も高く評価させて頂ける作品になります。自身の納得の行く 作風 を確立させてた晩年の作品の方が、若年 期の作品に比べて、熟練した深い味わいが出てきますので、断然、高価に買取させて頂けます。この作品も彩埏技法を用いた作品ですが、もっと華やかで文様が大きく浮き立っているような晩年の 上手 の作品になりますと、この作品に比べて、桁が一桁違ってくる場合もあります。
陶芸作品は、窯で火をくぐり完成される作品です。その色や形を探るのに何千回と窯に火を入れ、陶片を焼きます。窯 の周辺では多くの陶片が残され、作家が熱心に研究した跡が残る窯も多くあります。試行錯誤を繰り返し、たくさんの失敗を重ね、努力の末に、名品が生まれてくるのですね。やはり、自身の納得の行く境地を確立させた 晩年 の作品には、熟練した深い味わいがあります。ご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と買取価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.50)