金重陶陽の備前焼の花入です。
備前焼 の陶工として初めて人間国宝となった金重陶陽の 花入 です。高さ24.9cm×幅12.6cmで、底部に「陶」と 銘 があります。備前焼は、平安時代に作られた 須恵器 の 伝統 を受け継ぐ焼き物です。鎌倉時代から続く 六古窯 のひとつです。釉薬 を一切使わずによって堅く締められた赤みの強い味わいや、窯変 によって生み出される火襷、桟切、胡麻などの模様が表れます。その味わいが、備前焼の大きな見どころとなります。
この作品も、備前焼らしい落ち着いた雰囲気の 名品 です。 火襷 や 景色 も面白い味わいがありますね。このような彼の 作風 が冴える作品は高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。水指し や 花瓶、徳利などの作品が多く見られます。桃山風 古備前 に劣らない風格を備えている金重陶陽作品は、たいへん評価が高く、人気があります。特に 晩年 の 全盛期 に作られた 上手 の作品は、高価に買取させて頂きます。風格のある上手の晩年の作品になりますと、この作品の2倍、3倍の価格で取引される作品もあります。
作家は試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の境地に到達します。作家の作品には、いろいろありますが、晩年の、自身の 作風 を確立させた円熟期の作品には、熟練した深い味わいがあり、高価買取させて頂けます。売却依頼の際に、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.56)