円山応挙の人物画の名品を紹介します。
円山応挙は、狩野派特有の筆遣いと、独自の色彩で、素晴らしい 花鳥画 や 山水画 などを描きました。その魅力的な 画風 は、弟子 たちによって継承され、全国に広められました。円山派の礎を築いた人物です。この作品は、画業の円熟期にあたる54才、1787年の作品で、中国前漢の富豪の娘を題材にしています。円山応挙は、花鳥や山水だけでなく、このような中国の故事や説話に基づく 人物画 も得意としています。写生画の 技法 を生かし、娘の甲斐甲斐しく働く美しい姿を、伸びやかな強弱のある線と質感、爽やかな色彩により巧みに描き出している傑作です。彼の作品もいろいろありますが、やはりこのような 晩年 の 全盛期 の作品が人気で、高価買取させて頂けます。多くの作家は、30代、40代ではまだ自分独自の 作風 には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品と、自分の 画境 を築いた 晩年 期の作品とでは、やはり、晩年の洗練された作品の方が味わい深く、買取価格も数段上となります。この作品は、111.8×51.2cmサイズで、絹本 に描かれております。一般的に 日本画 の場合は、紙本 より絹本に描かれた作品の方が高く評価させて頂けます。このように、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.620)