三代徳田八十吉の得意とする燿彩の作品を紹介します。
三代徳田八十吉の高さ19.8cm×幅21.2cmの、壺 を紹介します。高台内に「八十吉作」と 銘 があります。徳田八十吉の作品は、従来の九谷焼のように、花鳥風月 や山水の 図柄 ではなく、色の配色のみで作品を仕上げているのが大きな特徴です。 約70色を使い分け、色のグラデーションのみで作品を仕上げる 技法 を築き上げました。その技法は耀彩と呼ばれています。紺系の色釉を中心に、絶妙な濃淡を使い分け、深みのある素晴らしい 名品 の数々を生み出してきました。また、従来の上絵の焼成温度より高温で焼成しているため、深い色味が出ることも大きな特徴の一つです。
この作品も、白を中心に黄色、緑、青、紺と素晴らしいグラデーションを作り上げています。まるできらめく宝石のような美しさがありますね。徳田家に代々伝わる 技巧 で、誰もが真似できるものではありません。このような、古九谷 五彩の紺、紫、緑、黄、赤を美しく配色した作品が高価買取対象です。この作品は、彩釉磁器の 人間国宝 、三代の作品です。徳田八十吉の場合、初代の作品も高価買取対象です。どの代にも言えることですが、やはり、晩年 の 全盛期 の 上手 の作品は高価に取引されています。作家は努力を重ね、試行錯誤を繰り返して、自身の納得の行く 作風 を確立させて行きます。若年 期の作品よりも、晩年の作品の方が、やはり熟練した深い味わいが出てきますので、断然、高く評価させて頂けます。中でも、亡くなられる一年前、二年前の最晩年の作品は、最も高価に取引される作品となります。一口に作家の作品と言っても、いろいろあります。制作年代や題材、出来栄えなどにより、価格が違ってきます。売却依頼のご相談は、信頼と実績のある祇園の骨董店、古美術やかたにご依頼ください。(No.85)