河井寛次郎の代表的な作品を紹介します。
河井寛次郎の、高さ11.4cm×幅11.6cmの 茶碗 を紹介します。河井寛次郎は、柳宗悦、浜田庄司、富本憲吉らと共に、日本民芸界の基礎を築き、その中心人物として活躍した 巨匠 です。「用の美」を追求した、重厚で素朴な 作風 で近代 陶芸 に新しい境地を築き上げました。
この作品は、暖かみのある飴釉で、花文が綺麗に施されており、気品のある作品ですね。花文は、彼の得意とする作風で、このような、彼の作風が冴える作品は高く評価させて頂きます。黒褐釉、鉄絵、辰砂、染付、白化粧土、鉛釉などを使い、草花や動物文を描いた重厚な味わいのある、日常使いの器や 皿 は、たいんへん人気があります。しかしながら、彼の作品では、ごつごつした信楽の土を使った 素地 に、赤や緑、黒の 釉薬 を刷毛で力強く打ちつけてあるような作品が、一番高価買取対象作品となります。面白い形をした大型の作品や、信楽焼のような地肌に五彩の色を飛ばしたような作品になりますと、この作品に比べて、桁が一桁違ってくる場合もあります。中でも特に、晩年の 上手 の作品が高価買取対象作品です。
作家は努力を重ね、試行錯誤を繰り返して、自身の納得の行く 作風 を確立させて行きます。作家の作品には、いろいろありますが、30代、40代ではまだ自分独自の境地には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品より、晩年 の作品の方が、洗練された作品となり、取引価格も数段上となります。制作年代や題材、出来栄えなどにより、価格が違ってきます。売却の際のご相談は、信頼と実績のある祇園の骨董店、古美術やかたにご依頼ください。(No.86)