河井寛次郎の綺麗な壺を紹介します。
河井寛次郎の、高さ22.3cm×幅17.0cmの 壺 を紹介します。河井寛次郎は、民芸運動で活躍し、近代陶芸を牽引してきた 重鎮 です。
「用の美」を意識した、日常の暮らしに溶け込む 名品 の数々を生み出してきました。簡素で重厚な形と、色鮮やかな釉薬、躍動感あふれる独自の文様が施されているのが、彼の 作風 の特徴です。エネルギッシュで生命感溢れる作風や、面白い形の作品は、国内外で評価も高く、たいへん人気がある 陶芸家 です。
この作品は、暖かみのある背景に、花文が綺麗に施されております。上品な味わいのある作品ですね。花文は、彼の得意とする作風で、このような、彼の作風が冴える作品は高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。黒褐釉、鉄絵、辰砂、染付、白化粧土、鉛釉などを使い、草花や動物文を描いた重厚な味わいのある、日常使いの器や 皿 は、たいんへん人気があります。
しかしながら、彼の作品では、ごつごつした信楽の土を使った 素地 に、赤や緑、黒の 釉薬 を刷毛で力強く打ちつけてあるような作品が、一番高価買取対象作品となります。面白い形をした大型の作品や、信楽焼のような地肌に五彩の色を飛ばしたような 晩年 の 上手 の作品になりますと、この作品に比べて、桁が一桁違ってくる場合もあります。陶芸作品は、窯で火をくぐり完成される作品です。その色や形を探るのに何千回と窯に火を入れ、陶片を焼きます。窯 の周辺では多くの陶片が残され、作家が熱心に研究した跡が残る窯も多くあります。試行錯誤を繰り返し、たくさんの失敗を重ね、努力の末に、名品が生まれてくるのですね。やはり、自身の納得の行く境地を確立させた 晩年 の作品には、熟練した深い味わいがあります。ご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と買取価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.86)