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浜田庄司の花瓶を紹介します。

浜田庄司は、20世紀の日本陶芸界を代表する一人です。生活と芸術を結びつける民芸運動に参加し、シンプルな造形の気品のある作品を生み出しました。釉薬 の流描による大胆な模様、「黍文」と呼ばれる独自の文様を施した作品は、どれも力強く健康的で人気があります。糖黍文は、彼のトレードマークとされ、1920 年代から生涯にわたって最も多く描かれた 図柄 です。初期の頃は、比較的 写実 に近いものが多く、時代を経るにつれ、簡略化され、絵画よりも書に近いものになっています。角瓶や 、扁壺に描く糖黍文は、素朴で力強く、国内外から絶大な人気があります。
この 花瓶 も、手 轆轤 によるシンプルな造形と、釉薬の流し描けによる斬新な文様が際立ちます。柿釉と呼ばれる、益子焼ならではの落ち着いた渋い茶色も味わいがありますね。このような、浜田庄司の力強く格調高い作品は高く評価させて頂きます。中でも特に、晩年の 全盛期 に作られた 上手 の作品は、特別高価買取対象作品となります。陶芸作品は、 で火をくぐり完成される作品です。その色や形を探るのに何千回と窯に火を入れ、陶片を焼きます。窯の周辺では多くの陶片が残され、作家が熱心に研究した跡が残る窯も多くあります。試行錯誤を繰り返し、たくさんの失敗を重ね、努力の末に、名品が生まれてくるのですね。やはり、自身の納得の行く境地を確立させた 晩年 の作品には、熟練した深い味わいがあります。ご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは買取価格の決定は出来ません。著名な作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.32)