楽弘入の出来の良い黒茶碗を紹介します。
十二代楽吉左衛門の黒茶碗で、高さ7.9×幅12.7cmの大変出来の良い名品です。高台 脇以外の内・外側にも楽印を数個捺している数印茶碗で、箆使いも優れており、裏千家家元十五世鵬雲斎の 書付 が付いております。楽吉左衛門は 千家十職 の一つで、桃山時代より 楽焼 の 茶碗 を作る茶碗師の樂家が代々 襲名 しています。初代長次郎が千利休の理想とする茶碗を作ったことから始まり、400年以上もの間、数々の 茶道具 の 名品 を制作し続けています。売却のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や作品の種類、出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違ってきます。楽家の場合、歴代の中でも、七代目長入の作品は細工物の 技法 に非常に優れており、高価に買取させて頂けます。また各お 家元 宗匠の好みの作品や 共箱 で書付の付いた作品はより高い値段がつきます。この作品ですと、数印茶碗ということもあり、買取価格は100万円前後になるかと思われます。一度、古美術やかたにご相談頂ければと思います。(No.160~260)