十代楽吉左衛門の珍しい赤茶碗を紹介します。
高さ7.8×幅12.1cmで、十代 旦入の作品に 土佐派 の 絵師・土佐光文が杜若の 図柄 を大和絵風に描いた珍しい赤茶碗です。先代 直入の 極箱 と裏千家家元十四世 淡々斎の書付が付いております。この 茶碗 には 高台 脇に楽の印がありますが、もっと古い代の作品や写しの作品には楽印の無いものもあります。
桃山時代から代々続く 楽焼 を作る茶碗師、楽吉左衛門は 千家十職 の一つで、400年以上精巧な 茶道具 の 名品 を制作しています。楽茶碗の場合、買取価格が一番高いのは黒茶碗で、二番目に高いのは赤茶碗です。また各お 家元 宗匠の好みの作品や 共箱 で 書付 の付いた作品はより高い値段がつきます。しかし、このように絵や文字が描かれた御茶碗は、お 茶会 で使用できる季節が限定されるので安くなります。また楽焼は、轆轤 を使わず手捏や型造で形を作り素焼きする軟陶質の焼物なので扱いが難しく、非常に割れやすいので、よくひびが入っております。傷や直しがありますと、買取価格は 完品 の半額以下になってしまいますので、取り扱いには十分ご注意ください。楽吉左衛門の売却依頼はぜひ古美術やかたに御相談下さいませ。(No.130)