清水卯一の得意とする茶碗です。
清水卯一の 茶碗 を紹介します。高さ7.0cm×幅14.5cmで、高台脇に「卯一」と 銘 があります。清水卯一は、中国陶磁の 伝統 技法 をもとに、オリジナリティ溢れる作品を、生み出しました。戦後間もない頃から、素地 や 釉薬 を、工房近くの山の土や石の中に探し求め、試行錯誤を繰り返して自身の 作風 を確立させました。自然や琵琶湖をこよなく愛し、土から釉薬まで、すべて蓬莱近辺で採れた原料を用いた作品には「蓬莱燿」「蓬莱磁」「黄蓬莱」など、蓬莱と名付けた作品が使われています。彼の蓬莱窯で生み出された独創的な鉄釉や、青磁釉の作品は、高く評価されており、たいへん人気があります。生涯を通じて、素地と釉薬の組み合わせを研究し続け、これほど多彩な釉調を表現できる作家はいないとも言われています。「鉄釉陶器」の 人間国宝 です。
この作品も「蓬莱燿」と名づけられた作品で、見込み から口縁に広がる幻想的な 景色 がたいへん美しい作品ですね。薄作りのフォルムと蓬莱燿ならではのきらめく粒が 幻想的 な見事な味わいを見せています。彼の代表的な作品で、生命力あふれる 逸品 です。彼のこのような素晴らしい 上手 の作品は高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。このような作品の他に、彼の作品では、青磁の青い釉面に、氷の結晶のような 貫入 が層をなすように無数に入っている作品が最も高価に買取できる作品になります。特に、晩年 の 全盛期 に作られた力作になりますと、数十万の値段で取引されるほどの、人気も実力もある作家です。
当店は、約80軒の骨董店が軒を連ねる歴史ある祇園骨董街の中にある老舗の骨董店です。日々、100名近くのお客様にご来店頂いております。海外からお越しになるお客様も多く、中には熱心な 日本古来 の 陶芸 作品の コレクター の方もおられ、当店でも入荷をお待ちの 愛好家 の方も大勢いらっしゃいます。芸術家が生涯かけて制作された作品は、数多くありますが、力作や秀作と言われる作品は、実は全作品の二割ぐらいだと言われています。制作年代や題材、出来栄えにより、買取価格は一桁違う場合もあります。売却依頼の際には、一度ご相談頂ければと思います。(No.40)