十三代今泉今右衛門の色絵の香炉です。
十三代今泉今右衛門の 香炉 を紹介します。高さ10.0cm×幅9.2cmで、高台内に「今右衛門」と 銘 があります。今泉今右衛門家は約350年の歴史と伝統を誇る 窯元 です。江戸時代は、将軍家への献上品である色鍋島の御用 赤絵 師を継承した家系です。明治以降、今右衛門 窯 として、色鍋島の復興に努めました。鍋島焼は江戸時代に始まった 陶器 の中でも最も精巧だと言われています。その鍋島焼の中で、色絵 を使っている物を色鍋島と呼びます。十三代は、若い頃より熱心に色鍋島について研究し、現代に生きる色鍋島作りに意欲的に取り組みました。「色絵磁器」で人間国宝です。
この作品は、吹墨の 技巧 も華やかな十三代の香炉です。珠樹文は、印度 更紗 を基に十三代がデザインした赤い実を付ける空想上の樹です。インドのおめでたい鳥が止まる樹という事から名付け、十三代が好んで用いました。このような、十三代を代表する作品は高く評価させて頂きますので、是非ご相談ください。特に、晩年 の 全盛期 に作られた品格ある 上手 の作品は、高価買取対象作品です。
陶芸作品は、窯で火をくぐり完成される作品です。その色や形を探るのに何千回と窯に火を入れ、陶片を焼きます。窯 の周辺では多くの陶片が残され、作家が熱心に研究した跡が残る窯も多くあります。試行錯誤を繰り返し、たくさんの失敗を重ね、努力の末に、名品が生まれてくるのですね。やはり、自身の納得の行く境地を確立させた晩年の作品には、熟練した深い味わいがあります。ご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材、出来栄えにより、10倍、20倍と買取価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.25)