平松礼二の「路」の名品を紹介します。
「路」シリーズは平松礼二が30代後半からのライフワークとした作品です。1977年には、この「路」シリーズで、創画 展創画会賞、春季展賞などを 受賞 しています。その後は、ヨーロッバのジャポニズムに影響を受けた作品を描くようになっていきます。「モネは日本の装飾性を創意の源としたようだ」と語り、自身も艶やかな色彩美の作品を多く描いています。琳派に通じる華やかさとデザイン性、岩絵具や箔、墨など日本画 の画材を活かした艶やかな色彩美が魅力の作家で、その大胆な視点の作品が、世界的にも高い評価を受けていす。彼の作品の場合、やはり、晩年の見るものを圧倒するような 晩年 の 全盛期 の作品が人気で、高価買取させて頂けます。大胆な構成と、繊細 な筆遣いで描かれたような晩年の作品ですと、もう少し高い値段で取引されます。しかしながら、この作品は、紙本 に彩色で描かれた、80.3×116.5cmサイズの作品で、大きめな作品となります。同じ作家の作品でも、大きな キャンバス に描かれた力作の方が、断然高価になります。簡単に描かれた書画や小さい作品と、何日、何ヶ月もかけて描かれた大きなサイズの力作とでは、価格は10倍、20倍と違ってくるのは当然のことかと思います。買取のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、このように作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や大きさ、題材、出来栄えにより、価格が違ってきますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.50)