福王寺法林の、雄大な富士山の絵を紹介します。
奈良時代に編纂された万葉集にも富士山を詠んだ歌が収められているように、いつの時代も、富士は日本人から愛されてきました。今回は、福王寺法林の描いた雄大な富士山の絵をご紹介させて頂きます。朝陽をあびて赤くそびえ立つ富士山の姿と金色に輝く雲とのコントラストが実に美しい 名品 です。彼は、風景を描くことを得意とし、重厚な中にも素朴な趣きのある 作風 で知られています。この作品も、どっしりとした富士山の雄々しさが伝わって来て、さすがと思わせます。しかしながら、24.2×33.2サイズと、小品になりますので、価格はだいぶ低く取引されます。同じ作家の作品でも、大きな キャンバス に描かれた力作の方が、断然高価になります。簡単に描かれた書画や小さい作品と、何日、何ヶ月もかけて描かれた大きなサイズの力作とでは、価格は10倍、20倍と違ってくるのは当然のことかと思います。また、作家ものでは、やはり、晩年 の洗練された 画風 の作品の方が、買取価格も数段上となります。多くの作家は、30代、40代ではまだ自分独自の作風には至らず、60代になってやっと作れるようになると言います。若年 期の作品と、自分の画風を築いた晩年の作品とでは、やはり、晩年の 全盛期 の作品の方が味わい深く、高価に売買されます。福王寺法林の場合は、中年以降のヒマラヤの壮大な自然に取材し、ヒマラヤをモチーフにした作品、ヒマラヤシリーズが高価買取対象となります。売却のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や出来栄えにより価格が違ってきますので、一度ご相談頂ければと思います。この作品は紙本 に彩色で描かれています。(No.26)