横山大観の夜明けの海を描いた作品です。
横山大観は、朦朧体と呼ばれる、独特の没線描法を確立したことでも知られる近代日本画壇の 巨匠 です。1937年に 文化勲章 を受章、1951年には 文化功労者 となりました。「墨に五彩あり」という言葉も残しています。墨ですべての色彩が表せるという意味で、濃彩な作品で知られる「夜桜」など見事な彩色画家であったと同時に、優れた 水墨画 作家とも言われ「生々流転」などの素晴らしい傑作も多く残しています。
この作品は49.0×57.5cmサイズの作品で、絹本 に彩色が施されています。夜が明けていく暁の時刻の海を描いた作品で、ほんのりと色づいていく空と穏やかな海の様子が、情緒豊かに描かれており、さすがと思わせます。今回は、海を題材にした作品をご紹介させて頂きましたが、(横山大観)と言えば、やはり、富士山の絵で有名ですね。生涯を通じて富士に対して格別の思いを寄せた作家で、富士をモチーフとした作品を数多く描いたことで知られています。やはり、富士山を描いた作品であれば、特別高価買取対象となります。
作家は自分の描こうとする対象物に情熱を注ぎ、試行錯誤を繰り返し、何年もかかって独自の 画風 に到達します。このような作家のものでは 若年 の頃に描かれた作品よりも、やはり 晩年 に描かれた作品の方が味わい深いものが多く、高価買取できます。売却のご相談で、よく作家名での価格のお問合せがありますが、作家の名前だけでは価格の決定は出来ません。同じ作家の作品でも、制作年代や題材により、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.1550)