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竹内栖鳳の鹿の絵を紹介します。

竹内栖鳳の39.2×42.2cmサイズの 絹本 に彩色が施された作品です。彼は、実物への強いこだわりをみせ、巧みな写実方法で、本物さながらに描き出す、卓越した 画風 を展開しました。京都画壇で指導的役割を果たし、近代日本画の発展に尽くした、日本画重鎮 として広く知られています。横山大観と並び評され、関西画壇の雄として、たいへん人気が高く、その売買価格はトップクラスと言われています。高価なものでは、お引き取り価格が、500万を超えるものもあります。動物を描けば、その匂いまで描くといわれた達人で、色が入り、こてっとした作品で雀や動物の絵が人気で高価買取出来ます。この作品も、親子でしょうか、三匹で戯れる鹿の親子の様子が生き生きと描き出されており、野を駆ける足音までも聞こえてきそうですね。たいへん可愛らしい 名品 です。このような竹内栖鳳の作品の描写を「こてっとした」と表現させて頂きました。業界内で 真贋 を問う場合、「ゴリっとしている」とか「すっきりしている」とか簡単な言葉でしか表現できないものです。品物の値段を決めることが「鑑定」ではなく、品物の真贋を問うことを鑑定といいます。真贋を問う力は、身に付けるのに数十年かかってもなお奥が深く難しい、というのが現実です。我々古美術骨董店業界では、鑑定士という資格は無く、数十年かかり長年の経験と信用を得てはじめて査定や鑑定ができるようになります。簡単な言葉ですが、そのたった一言には数十年の重みがあるのです。(No.100)