棟方志功の彩色が施された版画です。
棟方志功の版画には、彩色が施されているのが特徴です。墨一色よりも、なごやかな、ほのぼのとした味わいがあります。この作品にも、そのような柔らかな息遣いが感じられますね。また、彼の板画の題名には、初期の作品を除いてほとんどの作品に「柵」が付けられています。四国の巡礼者が、一つ一つ願いをかけてお札を納めて歩くように、自身も一柵ずつ作品に願いをかけて、生涯作品を描いていくという想いがこめられています。板画の題名に限っており、倭画、油絵 など 肉筆 画には使われていません。彼らしさがひかる作品ですが、棟方志功と言えば、やはり、美人画版画が有名で、高価買取対象作品になります。ふっくらとした女性像や大首絵になりますと、この作品の十倍や百倍の価格が付く作品となります。また、初期の頃の作品よりも、晩年 に描かれた作品の方が、熟練した深い味わいが出てきますので、 断然、高価に買取させて頂けます。一口に作家の作品と言っても、制作年代や題材、出来栄えなどにより、価格が違ってきますので、その査定には審美眼が必要となります。彼の作品は、肉筆画や板画作品を問わず 偽物 が多く出回っていおり、その作品の鑑定には専門の知識が必要と言われています。品物の真贋を問うことを「鑑定」といいます。品物の値段を決めることではありません。真贋を問う力は、身に付けるのに数十年かかってもなお奥が深く難しい、というのが現実です。我々古美術骨董店業界では、鑑定士という資格は無く、数十年かかり長年の経験と信用を得てはじめて査定や鑑定ができるようになります。売却のご相談は、信頼と実績のある祇園の骨董店、古美術やかたにご依頼ください。47.7×63.0cmサイズの、手彩色が施された木版画です。(No.30)