横山大観の水墨画を紹介します。
この作品は、昭和9年に描かれた、66才の頃の作品です。61.5×86.2cmサイズの 紙本 に描かれた 水墨画です。横山大観は、朦朧体と呼ばれる西洋画の画法を取り入れた近代日本画壇の 巨匠 として知られています。また、見事な彩色画家で有名ですが、同時に、優れた水墨画家でもありました。東洋美術 の理想をうけついだ独自の 画風 で「生々流転」などの素晴らしい傑作も多く残しています。
この作品も、落ち着いた味わいのある、秀逸な水墨画です。この時代の横山大観は、昭和期の 文展 などで活躍を続け、この3年後の、1937年に 文化勲章 を受章しています。このような、晩年 の 全盛期 の頃に描かれた作品には、作家独自の画風が生きた作品となり、高価買取の対象となります。彼の場合も、晩年の作品となりますと、買取価格は数段上がってきます。さらに、題材としては、富士山を描いた作品はたいへん人気があります。たなびく雲海の向こうに富士山がそびえ立つような流動感のある作品はやはり、高価買取対象となります。このように同じ作家の作品でも、制作年代や出来栄えにより、10倍、20倍と価格が違う場合がありますので、一度ご相談頂ければと思います。(No.290)